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ちょっと遅くなりましたが、S耐開幕戦のお話をさらりと・・・。

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前日まで降り続いた雨も上がり、チームも天気も気分爽快で始まった決勝でしたが、「好事魔多し」スタートから75周目の100Rで突然のクラッチブロー、久しぶりの、メカ二カルリタイアとなってしまいました、あれれ、、Drさん無事でなにより、無事これ名馬ですよ〜意味不明な言い訳ですけど、、
予選タイムもまずまずだったのでリタイアは少し泣きましたけど、Drからは残念賞を頂きました。

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でもそれがレース、こんな時こそ明るく元気に、、!

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てな事で、タイプワンに戻ってきたレーシングカーですけど、トランスミッションを下ろしてみると・・・

クラッチブロー.jpgメインシャフト振れ測定.jpg

クラッチディスクは見るも無残な超バラッバラッ状態でした。

当然これだけの衝撃が瞬時に与えた影響はミッションにもエンジンのフロントプーリーにも及んでいました。

画像右はミッションのメインシャフトですが通常のOHでは先ず考えられない0.1mmオーバーの振れ、捩れがありました。

そうなるとエンジン、デフ、ドライブシャフトなどなど、各部の影響が色々と気になっちゃいます!
もちろん全てOHして載せかえれば安心なのですが・・・、それではレースに参戦している意味がナイんですね。

再利用出来るか?あと何キロ走れるか?組み付け時と比べてどう変化しているか?

この観察・判断をユーザーのクルマに活したいのです(エヘン)

まずはエンジン。
フライホイール振れ測定.jpgクランク触れ確認2.jpgロガーデータ.jpg

フライホイールも新品に交換し、先ずはフライホイールの振れとクランクシャフトのスラストクリアランスをダイヤルゲージで測定。S2000のクラッチはプル式と言うことも有り、このスラストクリアランスが増大しクランクが振れ、エンジンブローと言うケースが少なくないです。
クランクプーリーとキー溝も点検、交換しました。

各部を測定、記録して次に数値だけではなく実際にエンジンをかけた状態での振れを目視でチェック(画像中央)。
最後に、画像右はロガーデーターを吸い出し、レース中のエンジン回転数をチェックしているところです。

なんかドライビングを一部始終、監視しているみたいで、ドライバーさんに嫌われちゃいそうですが・・許してね!!

各ラップごとにグラフを追っていきますが、シフトダウンでのオーバーレブは無し!優秀!!!でもちょっとだけクラッチ操作をやさしくしてね〜〜特に社長殿〜(笑)。

フライホイールワッシャ1.jpgフライホイールワッシャ2.jpgフライホイールボルト2.jpg

ちなみにフライホイールの話ですが、S2000は画像のようにワッシャープレートを介してスペシャルボルトで固定されています。シビック、インテグラクラスの車両ではこのワッシャープレートは存在しないのですが、高出力のS2000の場合、プレートで面圧を上げ更に高いトルクでボルトを締め付けているんです。

ですのでフライホイール交換時はプレートの歪みや反り、擦れを拡大鏡でチェック、さらにハイパワー車の場合、ボルト穴が楕円に変形していることもあるので要注意です!
同様にボルトのネジ部も良〜くチェック。数回使用するとボルトに伸びが生じ、正確なトルクを掛けられなくなるので特にレーシングカーやハードユースのクルマでは2回に一度は交換しましょうね。

心機一転の心で第2戦MOTEGIに挑みます!! 4月29日のモテギ、Pit に遊びに来て下さ〜い。

皆メカはお煎餅が好物ですけど(笑)


Posted by 原

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