DSC04601

作業前にまず試乗します、これ現状を把握するには欠かせません。

DSC04606

暗電流量や充電量など測定して記録します、電装系でクルマは凄く変わるので基本のツボはしっかり把握、

そして試乗はいろんな路面やシチェーションを組み合わせて施します。

狭い道をゆっくり走らせて壁から反響する擦過音も聞き取る、

経験豊富なメカは2~30kmの速度で加減速、ゆっくりとステア入力すると

9割方は問題点とコンデションの判断が出来ます。

RIMG0286

当該車両は1オーナー、これまでの点検、修理、車検の詳細で膨大な記録が全てファイリングされていました。

全部で120ページ、これでオーナーさんの想いの丈が判りますね。

DSC04613

試乗を終えたクルマはリフトUPして2階に、

平行してお客様の要望を聞きながら見積書を作成します。

DSC04621

走行距離19万km、平成11年型のAP-1 高根沢製の100型、

浜松NoのS2000、では作業に着手させていただきます~

DSC04636

各油脂類を抜いてパンの中を点検、これまでのメンテナンス歴を物語るような素晴らしい廃油の状態でした(愛)

プロペラシャフトを外してギヤBOXを抜き取ります。

DSC04639

降ろしたトランスミッションのクラッチハウジング内側を点検、

汚れはありますがコンデションとしては問題はありません、キレイです。

DSC04654

冷却水を抜いて、コンプレッサーやエキマニを外し、エンジンCompを慎重に取り出します。

DSC04661

アチャ~、赤〇、ヒーターバルブケースの樹脂部品が劣化して崩壊していました。

バルブケースや細いホース類も今回は全て新品に交換します。

DSC04843

降ろしたエンジンからインマニなど再使用するパーツを取り外し、点検します。

DSC04856

ポートの段はリューター加工で取り去り、ヘッド面と接合するインマニ側もオイルストーンで平面を出します。

DSC04848

4-1インテークチャンバーの中はこんな状態でした、これを吸い込むと嫌だから徹底して洗います。

IMGP7873

高温高圧で中も、奥も、裏も、ついでに外側も洗浄します。

DSC04991

インテークチューブの赤〇部分が切れてます。

DSC04992

ヤバ、もう少しで外気を直に吸ちゃうところでしたね。

交換したホース類、ベルトなど注文はHonda パーツバンクにね

   ↓

チユーブCOMP.,エアーフロー

F20C ウォーターホース、Oリング キット

テンショナー、プーリー、ポンプ、ベルトキット

DSC04888

左はリビルトエンジンComp, 右側が降ろした旧エンジンです。
    ↓

ENGINE COMPLETE,F20C[2.0L]  

DSC04820

その降ろしたエンジンヘッドのエキゾーストポート内を拡大して撮影しました、インテークもほぼこんな感じです。

DSC05116

これが新しく積むSPOON エンジンのEX側ポートの内壁です。

DSC04892

洗浄したインマニの組み付け時にはちょっとしたヒントがあるんですね、

あらゆるボルトと穴には公差がありますが、インマニ、エキマニ部分は

ボルト径と穴径のガタがヘッドとポートの段差の原因になります。

段差は抵抗になります、必ずヘッド側のポートとインマニ、エキマニの「位置を合わせ」を心がけましょう。

DSC04936

補機類が組まれたエンジンはクリーニングと防錆処理が終わった準備済みエンジンルームに静かに挿入します。

DSC04956

エンジンマウント部分のボルト径にもガタがあります、

私達はそのガタを利用して可能な限り後方に積むように作業しています。

DSC04984

降ろす時と逆の手順でエンジンを積んだら、ミッションASSYを組み付けます。

エンジンは上から、ミッションは下から、手間でも手順どうり、作業は安全と確実が第一です。

DSC04976

交換されたクラッチ関係のパーツ 

     ↓

FLY WHEEL CLUTCH COVER CLUTCH DISK[NON-ASB.] ENGINE.TRANSMISSION MOUNT SET

CLUTCH SLAVE HOSE   クラッチマスターシリンダー キット

DSC04965

最後にエンジン、ミッション、プロペラシャフトなどの主要コンポーネントと車体側の整列ラインを点検、

ボデー基準ポイントから計り各マウントのガタを利用することで調整します。

Eng先端からデフ側フランジまでは2mの長尺な構造体、

マウント穴位置の数mm差が車体後方では誤差が増えるので(注)

DSC04669のコピー

フロントアッパーアームのボデー側プレート赤→部分は少~し弱くて、

Hiグリップタイヤでグイグイ走ると最悪の場合にこのスポット溶接部が剥がれる事に、

実はここの「クラック」は珍しくはありません。

DSC04712

溶接加工でSPOON製ガゼットプレートを装着します。

    ↓

GUSSET PLATE

DSC04731のコピー

交換されたフロントアーム、ボールエンド類、

注文はHonda パーツバンクにね。

    ↓

フロントアーム キット

DSC02941のコピー

経年劣化で破断しはじめたブッシュを拡大撮影した写真です。

DSC04919

交換した前後スタビブッシュとリンク、

注文はHonda パーツバンクにね。

    ↓

スタビライザーブッシュ、リンク キット

DSC04997

ゴロゴロと低級な振動と異音を演奏していたリアハブ部、ナックルASSYを取り外して、、

DSC05026

ハブベアリングのガタからハブが痩せて、両者セットで交換です。

注文はHonda パーツバンクにね。

   ↓

ハブ、ベアリング、スピンドルナット キット

DSC05001

ドライブシャフト、アーム類を取り出してデフASSYも降ろします。

DSC05006

交換したリアのアーム類です。

注文はHonda パーツバンクにね。

  ↓

リヤアーム キット

DSC05008

交換された新旧デフASSY、新デフは強化された後期型の新品ケースを使い組んでいます。

DSC05085

完成したフロントサスペンション関係、赤〇部分が溶合されたガゼットプレートです。

DSC05091

完成したリヤサス部、このあとアライメントを調整してから約200kmの試乗テストを行います、

納車前に試乗することでより完全な状態を目指したい、

走らせると各部が馴染み無視できない量のアライメントが変化、

納車前に再びアライメントを調整、より高い理想値を追求するのがタイプワン流なんです。

今回のリビルト作業日数は10日間、費用の総額は¥2,217,685円でした。

ありがとうございます。

 

 Posted by 吉澤